もう一つの日記

 

第三週(前半)

 

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12月25日(水)

今日は実咲さんに部長を会わせました。

健次も来ました。

 

僕は最初、健次の家にいきました。

次に、健次と共に部長の家まで行きました。もちろん、部長の家に着いたときは、健次には隠れてもらいましたが。

その後、部長と一緒に、実咲さんと待ち合わせをした駅まで行きました。

健次は隠れながら一緒について来ました。

駅はクリスマスの雰囲気一色でした。なんともまぁ派手派手しいです。

実咲さんは待ち合わせした時間通りに来ました。

おしゃれをしていました。女の子なんだなぁ、と少しほほえましくなりました。

二人を会わせる事は成功しました。

二人とも照れてはいましたが、趣味や好みといったものが一致するようで、会話は和みモードで始まりました。

三人で近くのファミレスに入ってお茶しました。ドリンクバーで三時間・・・。

二人の会話の内容は、あまりよく覚えていません。占い師の話はでませんでした。

僕のほうからも話を切り出しにくかったので、その占い師については全く触れませんでした。

その間、健次はどこかで時間を潰していたようでした。姿がみえません。

いつしか二人の空間ができていたので、実咲さんがトイレに行っている間に部長にお願いして、僕だけ帰らせてもらいました。

近くにゲームセンターがあったので、そこに行ったんですが、健次の姿はどこにも見当たりません。

僕は、仕方なく一人で家に帰りました。帰った後、健次に電話したんですが妹が電話に出て、

「兄はまだ帰ってきてませんが・・・・」

と言われました。

夕方頃に電話が来ました。

「あ、ナオジ? メリ〜クリスマ〜ス。今日も一人なの? 寂しいねぇ。相手してやろうか?」

同じクラスの円花(まどか)という女子からでした。いつもこんな感じの子です。

「あのねぇ。お前だけには言われたくないよ。僕に構ってる暇があったら、さっさと彼氏見つけろよな」

むかついたので説教してやりました。

明日会えるか、って聞いてきたんですが、明日は家でごろごろしようと思っていたし、

遅れてしまっている年賀状も書かないといけないから断りました。

そうしたら、「ならあさって会えるか?」って言ってきました。一応承諾しましたが。なんなんでしょうか。

もしかして、僕のこと好きって告白でもするんじゃないでしょうね。

絶対、違います。言われても断るし。

でも一瞬だけ頭によぎったせいで、なんでそんなに会いたがっているのか、ということを躊躇して聞けませんでした。

気になります。

健次のことも気になります。

ファミレスに置き去りにした二人の様子も気になります。

そして、占い師もかなり気になります。

 

夜は家族でクリスマスパーティーを開きました。

といってもケーキとケンタッキーチキンという簡素な組み合わせでしたが。

今日は、兄貴が下宿先から彼女を連れて帰ってきました。だから、僕の家でのパーティー出席者人数は6名でした。

姉があけたシャンパンのふたが、天井に当たって跳ね返り兄貴の頭に直撃したのはオオウケしました。

楽しいひとときでした。

健次に電話しようと思ったんですが、気づけばあまりにも夜遅くになっていたので明日にします。

おやすみなさい。

 

 

 

12月26日(木)

今日は年賀状を書いて大掃除をしました。

その後、やっぱり昨日のことが気になったので、健次に電話をしました。

今日はちゃんといました。

昨日、あの後何をしていたのか聞いてみると、

「あぁ。ちょっと用事ができちまってな。途中で帰らせてもらったよ。」

と、それ以上は何も言ってくれませんでした。逆に部長と実咲さんのことを聞かれたので、

「なんだか意気投合してたから、お邪魔虫の僕はすぐに帰ったよ。」

「占い師についての話とかは出なかったの? っていうか出さなかったのかよ。」

「場の空気ってもんがあったからねぇ。そういう話題には触れづらかったよ。」

と答えておきました。

健次はなんだか考え込んでいるようでした。

「そうかぁ。じゃあ、今日のうちにちょっと調べてみようか。俺の仮説もあながち間違いじゃないかも知れんな。」

「どういうこと?」

「まだ分からんね。明日、会えるか?」

「明日はちょっと用事が・・・・」

「・・・・・。そっか。お前もすみにおけない男だねぇ。」

「違うってば! それより何? あって話したほうがいいことなのか?」

「うん、まぁな。直接会って話をしたい。重要なことだから」

結局、あさって会うことに決まりました。

健次の傷も大分治ってきたようですが、完治まではまだまだ時間がかかると言っていました。

それにしても健次は何をつかんだのでしょう。気になります。

明日は円花と会ってきます。あいつも気になるところです。

クリスマスプレゼントとか言って、僕に爆弾とかくれないことを祈ります。

 

今日は特に変わったことはありませんでした。

占い師。あれは一体、なんだったのでしょうか。もう僕たちの前には現れないんでしょうか。

年末はテレビって特番ばかりですね。もうすぐ2003年です。

今年もあっと言うまでしたね。

おやすみなさい。

 

 

 

12月27日(金)

円花に会いました。

事件は急展開を迎えました。

 

彼女の家に行くのは、今日で2回目です。

しかし、前回は健次と一緒だったわけですから、一人でここに来るのは初めてです。

円花の部屋でテレビを見ながらお茶をしました。

別段、男女としての意識は互いにしていませんでした。

「ほんと、年末って特番ばっかりで嫌ね。つまんないや。」

「そうかぁ? 僕は特番派だよ。面白いじゃん」

「はぁ? あんたってバカ? 特番ってのはねぇ・・」

と、円花と話していると、なんだか男と話している感じがしました。

だから自然と男女の関係を意識しなくて済むのでしょうが。

「で、話って何だ?」

「う〜ん。話っていうのはねぇ。実は恋の相談なんだけど。えっとねぇ。参ったなぁ。話しにくいなぁ。」

ええ〜? まじかよ。やっぱり俺告白されちゃうのかよ。まいったなぁ。

「健次君と紗耶(さや)を別れさせて欲しいんだけど・・・。」

いやぁ。そんなこと言われても、僕は今付き合う・・・。って、えぇぇぇ!?

「な・・・なに? ちょっと待て、そりゃどういうことだ?」

「私ねぇ。実は健次君の大ファンなんだよねぇ。

ルックスいいし、頭もいいし、あのぶっきらぼうな性格も母性本能くすぐるのよね。

あんないい人他にいないでしょ? あの人は紗耶にはもったいないんだってば。」

「いやいや、そうじゃなくて、あいつら付き合ってたの?」

「えっ? まさか知らなかったっていうオチはないよねぇ?」

「知らなかった・・・・」

紗耶というのは俺とこいつのクラスメイトの女子で、比較的大人しい子です。

結構人見知りするタイプだ、と円花が言っていました。

しかし、知りませんでした。そんな紗耶と頭脳明晰の健次が付き合っていたなんで。

しかも円花まで健次のこと・・・。

勘違いしていた僕って一体。穴があったら入りたいです。

彼らが付き合い始めたのは22日のことだそうです。ちょうど、僕が部長と喫茶しにいった日です。

告白は紗耶から。健次は少し悩んだようですが、その日のうちにオーケーを出したそうです。

街に行ったとき、雑貨屋で健次が買ったものは、おそらく紗耶にあげるクリスマスプレゼントだったのでしょう。

25日、尾行の途中で抜け出して抜け出したのは、きっと紗耶と会う約束をしていたためでしょう。

それにしても、24日のクリスマスパーティーのときには、二人とも出席していたにもかかわらず、全く気がつきませんでした。

健次が事故に遭ったのは、紗耶たちが帰ってからのことだったので、その事を知らない紗耶は恋人になっていたとはいえ、

病院にかけつけることができなかったんでしょう。

恋人になっていたとは。だから、25日の夜、僕が電話しても家に健次がいなかったのでしょう。

納得です。

と、そこまでは良かったんです。

次の円花の発言にビックリして、鳥肌が立ちました。

「あ〜あ。私もあの占い師に占ってもらえばよかったなぁ。」

え? 今何とおっしゃいました? 円花さん。

占い師? なんでしょうかこの嫌な予感は。

明日、健次と会います。

全てを話します。彼から何を聞けるんでしょうか?

 

続きは明日書くことにします。

今日はちょいと書き疲れました。

 

 

 

12月28日(土)

年末ということもあって、なんだかみんなせわしなかった今日一日です。

今日は健次と会う約束だったんですが・・・・。

とりあえず昨日の内容の補足からします。

 

円花の発言。

「あの占い師に占ってもらえばよかったなぁ。」

実は、円花と紗耶はあの占い師に会っていたそうなんです。

紗耶が告白するきっかけも、その占い師の一言でした。

「告白をするなら、クリスマスの前がいいでしょう。きっとあなたの元にも幸運が舞い降りることでしょう」

そう言われて紗耶は健次に告白したそうなんです。

それが昨日の内容の補足です。

 

今日、健次の家を訪れると、そこには健次の姿はありませんでした。

弟が出てきて、僕に一枚の紙を渡してくれました。

そこにはこう書かれていました。

「すまん、直治。ちょっとわけあって出かけてくることになった。もしかしたら、これで事件が解決するかもしれんが。

とりあえず、今日お前と話すのは無理だな。またこっちから折り返し連絡するよ。

それから、もしものときはこのことだけ覚えておいてくれ。

全ての人物を信用するな。

何のことだか分からんと思うが、まぁ、一種のおまじないのようなものだ。

帰ったら、そのことも含めてじっくり話するよ。それじゃ。

健次より」

 

今日一日中待っても、健次からの連絡はありませんでした。

僕は夜の間中ずっと考えていました。

占い師のこと。部長や実咲さんのこと。健次を轢こうとした車のこと。

円花や紗耶のこと。そして、健次のこと。

占い師。あれは一体何者なんでしょうか?

よく当たる占い。ただそれだけで片付けてしまって本当にいいんでしょうか?

いや、違います。部長や実咲さん、それと紗耶の時は確かに占いのような気がします。

しかし、健次のあの不幸は人為的なものでした。

「不幸が襲う」という占い通りに、誰かが車で健次にぶつかってきました。

これは偶然ではなく、必然。占い師が自作自演を行ったとか?

しかし、だとしたら他の占いはどう説明すればいいんでしょうか?

部長には条件付の不幸、実咲さんには運命の人との遭遇、紗耶には告白の機会をそれぞれ占いました。

そして、そのどれもが現実のものとなりました。

こんなの必然的、人為的に可能にするなんて事、できるんでしょうか。

しかも、部長や実咲さんは見ただけで部活を当ててしまった。それだけではありません。

部長にいたっては、街に靴を買いに行っていることまで当ててしまったんです。

不可能です。考えられません。

やっぱりよく当たる占いなのでしょうか。

もし人為的に占い師がやっているのだとしたら、一体何の目的でそんな詐欺まがいなことをするのでしょうか。

分かりません。何がどうなっているのか僕には全くわかりません。

 

明日は健次から連絡が来るでしょうか?

彼からの連絡を待つことにします。

今日はもう寝ます。おやすみなさい。

 

 

 

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