もう一つの日記
第ニ週(前半)
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12月18日(水) |
今日も一日中寒かったです。 天気もあまりよくなかったので、雨でも降るんじゃないか、と思いましたが、やはり降りませんでした。 授業はいつにもまして退屈でした。 国語に至っては、外国語としか思えない古文のお勉強で、興味なきこといと楽しからずや、って感じでした。 授業が終って部活に行きました。 ちなみに僕はテニス部です。火曜日から金曜日まで毎日あります。月曜は部活なし日です。練習中、部長に呼ばれました。妙なことを聞いてきました。 「美咲って知ってるか?」 知りません。僕のクラスに美咲という名前の女の子はいませんし、 過去にその漢字で「美咲」の名前に会った事もありません。 部長はどうしてそんなことを聞いてきたのでしょうか。謎です。 今日は練習が長引いて、少し帰りが遅れましたが、 健次ともう一人の友人良則(よしのり)が待っていてくれたので、3人で帰りました。 本当、今日は寒いです。 夕食が鍋でよかったです。やっぱり寒い日は鍋に限ります。うん、美味なり。やんごとなき幸せ。母感謝。 明日とあさっていけば、学校も部活も冬休みに入ります。 頑張れ直治! ファイトだナオジ! |
12月19日(木) |
はっきり言って昨日より寒いです。なんなんでしょうかこの寒さは。エルニーニョ現象でしょうか。 体育最悪です。なぜこの時期に、「体を温めるため」とか言って外を走らせるのしょうか。意味不明です。 本来なら今日は体育館でバトミントンの練習だったのに。 先生、あなたはバカですか? 聞くまでもありません。バカです。 今日も部活が終って家に帰るとき、また部長に聞かれました。 「おい、ナオジ。本当に美咲を知らないんだな?」 「だから知りませんってば。一体誰なんですか、それは」 「いや、知らないならいいんだ」 ってオイ。そりゃないっスよ、部長。 そのことを帰りの電車で健次と良則に話すと、意外なことを良則が言いました。 「それってもしかして、トイレのハナ子さんのことじゃないか?」 話を聞くと、どうやら僕たちの学校にも七不思議のようなものがあるらしいんです。 「美咲」というのはおそらく「トイレのハナ子さん」のような存在ではないか、ということを教えてくれました。 一度、噂になったことがあるらしいんです。ミサキが。 どういう話なのか、詳しい内容までは僕たち3人とも知りませんでした。 もちろん、なんでそんなこと部長が言ってきたのかも分かりません。 明日で冬休みに入ってしまいます。これは何としても部長に聞かないと気が済みません。 明日は終業式です。 成績表・・・・・・・。憂鬱です。できることなら休みたいです。 |
12月20日(金) |
成績表が渡されました。思った以上に出来がよかったのにビックリです。 まさかあの苦手な古文と現代文が上がっているとは思いませんでした。 明日、部長がランチに連れて行ってくれるそうです。何をご馳走になろうかなぁ(笑)
終業式が終った後、部活に出たんですが部長の姿が見当たりません。 違う先輩に聞いてみると、どうやら今日風邪を引いてしまったらしく終業式自体には出席をしたそうですが、 体を休ませるために部活は休んだそうです。 昨日のことは結局聞けず仕舞いになってしまいました。 まぁいいでしょう。きっと部長の勘違いです。 それにしても、部長あんなに昨日元気だったのに風邪だなんて、一体どうしたんでしょうか? 部活が終わり部室整理をしてみんなが帰った後、僕は体育館に行き、健次と良則の部活が終るのを待っていました。 健次はバスケ部、良則はバドミントン部。二人とも体育館競技の部活です。 健次と良則の活躍をしばらく眺めていると、一人の女生徒が僕に話し掛けてきました。 「あのぅ、淳二くんって今日部活来てました?」 淳二は部長の名前です。 「えっ、あ、いえ。今日は風邪とか言って休みましたが」 「そうですか」 その人はしばらく何か考えているようでした。僕は疑問に思ったので聞いてみました。 「あの。どちら様ですか?」 すると、予想外の解答が返ってきました。 「あ、私? 私はみさきといいます」 「え?」 その人は「やっぱりいいです」という謎の言葉を残して、僕の前から立ち去ってしまいました。 気になって仕方ありませんでした。一体彼女は誰で、何を言いたかったんでしょうか。謎です。 一瞬、「もしかして幽霊?」と少し怖くなりましたが、そんなばかげたな話があるとも思えません。 二人の部活が終って帰るとき、その話をすると健次が言いました。 「ハナ子さんと関係があるかどうかは分からんが、とりあえず部長がキーマンになることだけは確かだね。 部活がないから、しばらく部長には会わないんでしょ? だったら電話してみたらどう? 直治が美咲って人を知ってるかどうかを部長も気になってたようだしね」 良則も賛成していました。 家に帰ってから成績表を食卓の上にそっと置いて、自分の部屋に駆け込みました。早速電話をしました。 まだ家の人が帰ってきていないのか、電話には直接部長が出ました。 「風邪大丈夫ですか?」 「おう、大丈夫だ。なんだ、心配になって電話かけたのか?」 「それもあるんですけど、美咲さんのことで電話しました」 「ああ、それな。それのことならもういいんだ。気にしないでくれ」 そんなもんで片付けられたら、たまったもんじゃありません。 「そりゃないですよ、部長。どういうことかちゃんと説明してくださいよ。あれは一体なんだったんですか?」 「お前何そんなに焦ってるんだ? 単なる俺の勘違いだっただけだぞ。お前は美咲を知らなかった。それだけだろ?」 「ええ、最初は本当に俺も知りませんでしたよ。でも、今日会いました。その美咲さんと思われる人に」 「え? そうなの?」 逆に部長の方が驚いていました。今日のことを話してもなんだか納得いかないようでした。 「う〜ん。分かった。明日暇か?」 「はい、一応暇ですけど・・・」 「じゃ、11時に駅に来い。そん時に全部教えてやるよ。昼飯もおごってやるよ」 部長との電話を切った後に気がついたことがありました。 今日、僕の前に姿を現した女の人(みさきと名乗った人)は、どうして僕が部長のこと知ってるって分かったんでしょうか? 僕は体育館にいたんです。 テニス部の部室にいたのなら、テニス部員だから部長のこと知ってるって分かります。でも、体育館です。一体彼女は何者なんでしょうか。やはりハナ子さんなんでしょうか。
今日も寒かったからといって鍋でした。 成績表のことは咎められませんでした。よかったです。ほんとよかったです。家族団欒の時間を守りました。 明日から冬休みです。24日にはクラスメイト数名でパーティーがあります。楽しみでなりません。 その前に美咲さんですね。早急にこれを解決せねば。 |
12月21日(土) |
今日も相変わらず寒かったです。これだから冬は嫌いです。 これだけ寒いとサンタも大変でしょうね。 それはいいとして、今日あった出来事を話します。
僕が11時前に昨日待ち合わせした駅に行くと、既に部長がいました。 かなりの厚着をしているので、まだ風邪が治っていないのかもしれません。なんだか悪いことしちゃったかなぁ。 部長とともに電車に乗り、3つほどの駅を経由し、隣町の大きな商店街までやってきました。 高校に通うときに利用する駅の次の駅です。 部長の案内で通りを歩いていると、部長がいきなり足を止めて独り言を言っていました。 「あれ? この辺だったと思ったんだけどなぁ。昼間はいないのかなぁ」 そのまま、その通りにあるカフェレストラン店に入りました。 僕は、おすすめ定番メニューと書かれている「スペシャルランチAコース」を注文しました。 部長は、メニューを見ずに「トリ五目チャーハンセット」を注文していました。 「さてと、ここなら落ち着いて話せそうだな」 と言って、部長はゆっくりと話し始めました。 「ナオジ。お前占いって信じるか?」 「はい? 占いですか? さぁ。いい事だったら信じますし、悪いことだったら信じませんね、僕は。」 「なるほどな。 俺は意外とそういうの信じる方だと思う。 今から一週間くらい前の話になる。俺がちょっと買いたい物があって、部活終わって暗くなってからこの街に来たんだけどな。 その時、さっきの場所で占いやってた人がいたんだ。 占い信じるほうだって言ったけど、さすがに街にいる占い師に見てもらおうだなんて思ったことはないさ。 だから、最初は素通りしようと思ったんだけどな。 呼び止められたんだ。「ちょっとそこの人」、って感じで。 その後その占い師何て言ったと思う? 「テニス部の部長も大変ですね。部活が終らないと靴も買いにこれないなんて」 常識じゃ考えられねぇよな。 ひと目見て、俺がテニス部ってことも部長ってことも、靴買いに行くってことも分かっちまうなんて。 で、ついつい信用して占ってもらっちゃったんだ。これがいけなかった。 そしたら、その占い師こんなこと言い出しやがってさ。 「美咲という人物を探しなさい。彼女に会わないと不幸が襲いますよ」 だとさ。」 ちょうどその時、注文した品が僕たちの目の前に運ばれてきました。食事をしながら部長は話を続けました。 「それでだ。もちろんこの話には続きがあってな。 その占い師、訳のわからんヒントをくれたんだよ。 「あなたの身近にいる人物で、あなたのことを良く知る人物が美咲を知っているでしょう」 って言ったんだ。だから、友達をしらみつぶしに聞いていったが、誰も知らないって答えてさ。 もちろん自分でも調べたよ。だけど、同じ学校には美咲っていう漢字で「みさき」はいなかった。 テニス部の後輩の中では、お前が一番親しかったからな。とりあえず聞いてみたってとこだ。 探さなきゃいけない期限があってな。おとといまでだったのさ。 だから最後の日は必死になって、みんなにもう一度聞いて回ったんだよ。 結局、期限内に探し出すことができずに、俺は昨日からの高熱にうなされるはめになった。 まぁそんなところだ」 「ちょっと待って下さいよ。何でそのこと言ってくれなかったんですか?」 「 言えるわけないだろ。占い師が不幸になるって言ってたから、美咲って人を探してます、だなんて。 こんなのみんなに知れたらいい笑いもんだよ。 本当はお前にだって話そうかどうか迷ったんだぞ。 だから、このことはみんなには内緒にしてくれよな」
食事を終えたあと、部長とともに我が町に帰ってきました。 風邪をこじらせるのも悪いと思ったので、安静にして欲しいという僕の配慮です。 それにしても寒いです。コートは手放せません。 帰ってきたら姉がいました。 テレビを見ていましたが、優しい僕はそんな姉にもコーヒーを入れてあげました。 まぁ、ただ単にお湯の配分を間違えただけなんですがね。 僕もコーヒー片手に姉と共に居間でテレビを見ましたが、頭は違うことを考えていました。 部長の話、今までの経緯はわかりました。 でも、結局何も分かりませんでした。 あの美咲って人は一体誰なんでしょうか。部長も知らないようでしたし。 それに怪しいのは占い師です。何がしたいんでしょうか。 全くもって謎です。 明日、健次と街へ買い物に出かけます。今日行った街です。 その時に健次の意見も聞いてみたいと思います。 健次は僕と違って頭がいいので何か分かるかもしれません。 ああぁ。なんだかもやもやが大きくなってしまいました。早く何とかしたいです。 楽しみなクリスマスパーティーも楽しくなくなっちゃいます。 おやすみなさい。 |
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