もう一つの日記

 

第一週

 

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第五週(序章)   第一週   第二週   第三週(前半)  

 

第三週(後半)  第四週(前半)  第四週(後半)  第四週(終焉)

 

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10月3日(木) 晴れ

それじゃ、早速だけどこの日記のほうのアップお願いするよ。

なるべくありのままを伝えてもらうために、

出来るだけそのままの形で掲載して欲しいんだけどいいかな?

もちろん、掲載に際してヤバイって思うことがあったら、

そっちで勝手に削除とか部分変更とかしてくれていいよ。

できれば、誤字脱字とか直してくれたら助かるけど(笑)

 

こんにちは。この日記を担当することになった「翔馬」です。

「しょうま」と読みます。本名です。

自己紹介をする前に、

この日記を俺が担当することになったいきさつを話しておかなければなりません。

このホームページの管理人の「流空」と出会ったのは、2ヶ月くらい前のことでした。

出会いはなんて事の無いものです。msnのチャットで知り合いました。

彼は自分のホームページを作ったと言ってたので、見に行きました。

「何もコンテンツがないじゃん」

「作ってみたはいいけど、なんのコンテンツにしようか考え中でさ。日記はとりあえずやろうかなぁ、と思ってるんだけどね。まぁそれも俺みたいな三日坊主だと、断念しそうだよな。今、考えてるのが、他の人に日記を書いてもらうっていう新しいスタイルのコンテンツを作ろうかと思ってね。『もう一つの日記』ってやつ。どう? 面白そうじゃない? 二つも日記があれば盛り上がるだろうし」

「いいねぇ。誰かその日記を書く候補はいるのかい?」

「それが今のところいないんだよねぇ。そこで相談なんだけど、翔馬担当してみないか?」

突然のことでした。

実は彼には、前々から俺が自分の日記を書きたいと言っていたから、そのこともあってこの話題を持ちかけたのだと思います。

彼の力を借りずに無料レンタルの日記帳で書くこともできました。

しかし、私はホームページを持っていません。とくに持つつもりもありません。

レンタル日記帳だけではどこへのリンクも張られていないので、誰の目にも触れることなく日々過ぎ去っていきます。

だから、この誘いは彼にとっても私にとっても、理にかなった話だったわけです。

引き受けたのは昨日のことでした。メールを送りました。

彼からメールが届いて、そこには日記の手順について述べられていました。

まず、俺がメールで日記の内容を書く。それを「流空」宛てに送って、流空がそれを受け取る。

内容をチェックする。大丈夫だ、と確認された時点で彼がHTMLに変換して、アップロードする。

と、まぁ簡潔に言えばそんなところです。

色々と契約を交わしましたがここで述べる必要はないですからね。

いつまで続くか分かりませんが、とりあえず頑張って毎日更新していこうと思います。でも管理人の流空は、果たして日記を書くのだろうか? 一抹の不安が残ります。俺一人だけ書かせる気じゃねぇだろうなぁ。お前も書けよな。

難点は、流空のいないときはアップロードしてもらえないことです。でも、それもまた一興ですね。

なにせ、このホームページは流空のものなんですから。

明日は、遅れましたが自己紹介しようと思います。今日のところはこれで終わりにします。

 

では、また明日。

 

 

10月4日(金) 晴れ

こんばんは。翔馬です。

昨日言った通り、俺の自己紹介をしたいと思います。

名前はご存知の通り「翔馬」。年齢は20歳。大学に通っています。今は大学2年生です。

出身はちょっとマイナーかもしれませんが福島です。身長174cm、体重66kg。

性格は、マイペースだけど自分では温厚なほうだと思っています。たまに盛りあげ役もこなします。

あぁ、でもキレたら怖いかな? そこは謎です。

友達は多からず少なからず、至って平凡などこにでもいるような大学生です。

バイトはしています。ガススタの店員と高校1年生の家庭教師をしています。

 

今日、大学の友人から誘いがありました。合コンです。

俺は20年間生きてきて、実は合コンというものをやったことがないんです。正直迷いました。

でも、いい機会かもしれません。ここらでそういったものにもなれておく必要があるかもしれません。

今後のために・・・・。いやいや、社会勉強のために。ということで出席することにしました。

集まるメンバーは、俺のほかに俺を誘った同じ学科のユウジ。もう一人同じ学科のヒロキ。

彼とは3度ほど話したことがありますが、友達といえるほどの中ではなく、どこかぎこちない。

どちらかというと知りあいと言った表現が適切でしょう。

もちろん、ユウジは友達です。男はその3人です。

女性は俺の知らない人ばかりです。ユウジのバイト仲間だそうです。

居酒屋のバイトつながりらしいです。

名前はマナミ、ユウナ、アヤナ。

その3人が来るようです。つまり3対3の合コンです。

俺に話す前に、既に他のメンバーがそろっていたため、

日程は明日土曜日の夜とあらかじめ決めてあったようです。

俺は穴埋めのために呼ばれたんだろうか? まぁいい。明日は楽しもう。

女の子がどんな子かまだぜんぜん分からないから、不安と期待が入り混じっています。

きんちょ〜!!

とりあえず、一応今日のうちに部屋を片付けておきました。はぁ、俺はなにやってるんだろう。

変な期待しちゃってさぁ。むなしいよね。家になんか来るわけないってね。いちおう、だよ。一応。

 

 

10月5日(土) 晴れ

今日は素晴らしい一日だった。マジで最高だったよ。

書くこと多いなぁ。日記が長くなりそうだ。読む人も覚悟してね (^_^;) ・・・・・・いや、まじで。

 

今日の合コン6時半に飲み屋で待ち合わせしたが、

俺たち男3人は、実は6時20分には既に店の中にいた。

俺たちが先に店に行って女性たちを待ってよう、というヒロキの提案だったので・・・。

この飲み屋は、ユウジや女の子たちのバイト先ではないところだ。そりゃそうだろうね。

時間ぴったりに女性陣が登場した。それぞれ自己紹介して、飲み会がスタートした。

幹事を務めるのは、このコンパの主催者ユウジ。

彼の乾杯の音頭を皮切りに会話が弾み始めた。

やはりあいつは盛り上げの天才だ。

場数を踏んでいるだけはあると思うが。彼のおかげで自然な流れでコンパが進んでいく。

結構甘え上手で、上目遣いを得意とするタイプのアヤナsan。男を翻弄するタイプだろう。コンパ馴れしている・・・。

雰囲気に任せるタイプで盛り上げ役のユウナsan。かなり明るく活発的タイプの女の子だ。絶対彼氏いるはず・・・。

優しくて気が利き、いつも回りに気を配っているタイプのマナミsan。介抱してくれそう。お姉さん的存在かな・・・。

女の子たちの印象はこんなところかな。一部デフォルメ入ってるかもしれんが・・・。

コンパが進むに連れて分かってくることだが、どうやらアヤナさんはヒロキに狙いを定めたようだ。

自慢のバストを近づけている(笑)

ヒロキもまんざらでもない様子で、嬉しそう。

彼は見た目好青年だからなぁ。(中味はあまり知らないから)

途中で俺にひそひそ話で話し掛けてくるユウジ

「な? 来てよかっただろ?」

俺は指でユウジにグーサインを示した。

彼も楽しんでいるようだ。

でも、盛り上げ役のせいだろうか、ユウジはそれぞれみんなに話し掛けているから、誰を狙ってるとかは見ても分からない。多分、そういうのないんだろうな。

彼女たちとはあまり話をしたことがないらしいが、それでも一応、女の子3人とも同僚だしな・・・。

この中で俺がめちゃくちゃタイプな女性がいた。

マナミさんだ。

スタイルがよく、整った顔立ち。綺麗なロングヘヤー。笑顔の愛らしさ。

適度なサイズの胸に、形のよさそうなオシリ。(エロイっていうなぁ! 男はみんなそうだ!)

服装は、おしゃれに着飾った薄ピンク色の七分袖シャツと、黒でスリットの入ったタイトスカート。OLみたいだ。

彼女は、見た目から既にタイプなのに、優しくて周りに気を配るところなんかが俺のストライクゾーンど真ん中である。

ユウジのお勧めらしい。「気に入ってんならもっと近づいて話してこいよ」とまたひそひそ声でアドバイスのユウジ。

コンパ馴れしていない俺は、ドキドキしてなかなか彼女に話し掛けることもできなかった。

そんな俺を見兼ねたらしく、ユウジは

「こいつ俺の高校時代からの友達でさぁ・・・」

と彼女に向かい話を切り出してくれた。

ほんと、ユウジにはお世話になった。

あいつのおかげで彼女との中が急接近したことは言うまでもない。

時が経つのは早いもので、色々と会話が弾んでいるうちにいつのまにか9時半を回っていた。

一次会は一応終了ということで・・・。

金は男5:女2で払った。まぁ、妥当だろう・・・・・・・・・か? ここで合コンの厳しさに直面する(笑)

 

二次会のカラオケ、強制じゃなかったのに全員参加したのがすごく嬉しかった。

ひとえにユウジの人柄があってのことだろう。あいつはほんとにいい奴だ。

それだけになぜ、今まで俺を合コンに誘ってくれなかったのか、が問われる(笑)

二次会のカラオケ。これがまた楽しかったこと、楽しかったこと!

決してうまいとはいえない(笑)ユウジの「モンパチ(英語)」や

アヤナさんのスペシャル上手な「もののけ姫」、

ヒロキ&ユウナさんデュエットの「WANS&中山美穂」、マナミさんのかわいらしい「ayaya」、

さらに俺の「キック・ザ・カンクルー」etcで

ずっと部屋内は騒ぎっぱなしだった。

マジで面白かったっす。

コンパ馴れしてきたのか(初日からかぁ?)、そんな中でもちゃっかり俺はマナミさんと空いた時間を使って話していた。

そこで、色々と分かった。

彼女が俺と同じ大学2年生だということ。(ほんとは一次会で聞こうと思ってたんだけどできなかった)

今は彼氏がいないということ。

自分の考えをしっかり持っている人が好きということ。

女を不幸にする男が嫌いということ。

カプチーノとミルフィーユが大好きだということ。

一人暮らしということ。

最近気になる映画(サイン)が見たくてしょうがないということ。

そして、何より収穫だったことがこれである。

携帯電話の番号とメルアド。

「じゃ、かけるね」

と言って物凄く嬉しくて気分ウキウキ状態で俺からワンコール (>_<)

次の曲歌うの俺だというの忘れてて、歌うときマイク持つ手がまだ震えてたよ(笑)

歌い終わってマナミさんから「結構かっこよかったよ、翔馬くん」

いくら暗いカラオケ室内だといっても、さすがに赤くなった俺の顔は隠し切れなかっただろうな(恥)

そんなこんなで無事大成功の合コンは、一次会開始から5時間半で終了を迎えた。

ほんと楽しい時っていうのは、早く過ぎてしまうものだなぁ。っと実感。

時刻は0時を回っていた。合コン解散!

みんなとはここでお別れした。

俺の推測だけど(というか直感だけど)ヒロキとアヤナさんは一度解散した後、絶対またあってる!

 

そして、家に帰ってPCを開き日記を書こうとした、その時だった。

俺としては信じられないことが起こった。

携帯のメール着信音がこだました!

見てみると・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・マナミさん!!

えっ! えっ! 何? どうしたん? なんで?

明日あたりに俺から送ろうと思っていたのに、まさか彼女からくるなんて・・・。動揺の嵐です(汗

と・・・とにかく内容を見よう!

「今日はとっても楽しかったよ♪ ありがとう。他のみんなにも伝えといてね。

あの後私たち女3人で帰ってたんだけど、急にあやなが抜けてどっかにいっちゃった。ちょっと心配だよ。それはまぁいいとして」

ってよくないだろ。 まぁ、想像はついてたけどね。

「明日暇?」 

明日かぁ、暇だなぁ・・・・・・・え?

「もし翔馬くんがよかったら映画でも見に行かない?」

え? えぇぇぇぇ!? まじっすかぁ!?

「って今日あったばっかりで、いきなりこんなこと言うのもなんかおかしいと思うけど」

確かに。でも嬉しい (>_<)

「バイトとか大学のレポートとかあって忙しくなりそうだから、多分明日いかないともうしばらくいけないと思うのね?」

うんうん。日曜日とかじゃないと難しいもんねぇ。

「でも、悠菜もあやなも明日用事あるっていうし、他の女の子も誘いづらいし・・・。

あまり親しい男友達もいないし。う〜ん、でもサイン見たいんだよねぇ。と、いうことで翔馬くんはどうかなぁ、と思って。今日映画にも興味あるっていってたよねぇ?」

ウンウン、ありますともっ!!

彼女に返事を書き、即オーケーしました。これって脈ありってことかぁ? いや、それとも安全な男って思われてる?

とにかく明日は二人きりでデートです♪

明日のPM2:00が待ち遠しいです。 思わずユウジにTELしちゃった。

まじでユウジには感謝感激!!

 

これが今日一日で起こったことです。ホント素晴らしい最高の一日でした。

はぁ(溜め息)ずっとこれが続いてくれればなぁ・・・。

最後まで読んでくれた人ありがとう!

明日の報告を楽しみにしてください。うまくいくかは分かりませんがね(苦笑)

 

 

10月6日(日) 曇り

デート大成功でした! 彼女サイコー!! 死んでもいいっす!!

とりあえず書くね。

 

今日は昨日の約束どおり、マナミさんと最近話題になってる映画、サインを見てきました。

昨日のばっちり決めたスタイルのマナミさんも素敵だったけど、今日の白のフレアスカートも俺もうたまりませんでした。

めっちゃかわいかったよ〜  (>_<)/~

映画に必需品のポップコーンとコーラを映画館売店で買って、チケットも買って映画館の中に入ると、満席だと思っていたのにちらほらと席が空いているところもある。

みんな夜のナイトオフサービス(夜は映画料金が安くなる)でくるんだろうね。

席についてポップコーンを口に運びながらマナミさんが、

「いやぁ、もう、この映画ホント見たかったんだよねぇ。なんか無理やり連れてきちゃった感じになっちゃったけど大丈夫?」

と、興奮した表情を優しそうな表情に一転させて言った。めろめろの俺(笑)

「何言ってんだよ。俺だって見たいって言ってたでしょ?」

と言ったその顔は明らかに赤かったことだろう・・・。

映画が始まり、映画館が暗転する。映画が始まっても俺のドキドキが消えなかった。

う〜ん。自分でも純粋すぎだと思った。というか、ここまでくると異常か?

映画の内容を述べるのは控えておこう。ただ、俺の率直な感想は、面白かった!です。最後まで見ごたえ充分でした。

映画が終わり幕が閉じられる。マナミさんはとても満足そうだった。

よかったぁ。一緒に行った映画がつまらなかったっていうのは、もう興ざめもいいとこ。最悪です。

たとえ俺から誘ってなくても。

映画館から出てきたのが4時半だった。う〜ん。微妙な時間だ。

マナミさんがいきなり

「ねぇ、まだ時間ある? あるんだったら付き合ってもらってもいいかなぁ?」

と言ってきた。

「時間ならあるけど、どこ行くの?」 「インテリア・小物・雑貨店」

詳しく聞いてみると、再来週ユウナさんの誕生日だということだ。

つまり、誕生日プレゼントの購入だ。

二人で意見を出し合いながら品定めしていった。・・・・・そう、これはもうデートである!!

あぁ、神様。嬉しいです。20年間生きてきて今が一番至福なときかもしれません!!(大げさっ)

ユウナさん万々歳です!!

ユウナさんの誕生日プレゼントを購入後、

6時ちょっと前だったけど、早めに夕食にすることになった。

夕食まで一緒にいれるってことは、

マナミさん、映画だけ見たいんだと思ったけど、その後家帰ってもやることなかったのかなぁ。

俺なんかとデートして・・・・。ん? やっぱり俺に気がある? いやいや、まてまて。先走るな。

これで勘違いだったらホントずうずうしい男になってしまう。ここは友達として認識しておこう。

そうだ、そりゃそうだ。別に嫌いじゃなきゃこのくらい(映画&食事&ショッピング)するだろう。・・・するかなぁ?

 

食事は近くのイタリアンのお店にいった。マナミさんが案内してくれた。

誰と来たんだろうか?   って何気になってんだよ、俺! 彼氏でもないのに!

さすがにマナミさんお勧めの店だけあって、雰囲気のよい、落ち着いたいい店だった。

パスタは二人前が大きな一つの皿で出てきた。取り分けて食べるようだ。

目の前に好きな人がいるから、食事が美味しく感じられた。でも、彼女の前だからがっついては食べなかったよ。

俺ってこんなに一目惚れするタイプだっただろうか?

食事を終えて、彼女とは別れた。

デートはかなり満喫できた。

家に帰ってメールを送った。「今日はどうもありがとうね」

彼女からの返事。「私が誘ったんだからそのセリフは私のよ。どうもありがとう。また、機会があったら映画付き合ってくれる?」

 

・・・・・・・・・・本日最高の喜びを噛み締める翔馬であった。感激! (>_<)

今日思う存分に楽しんでしまった分、明日の一コマ目の講義が非常に憂鬱です。はぁ・・・・。

 

 

10月7日(月) 雨のち晴れ

一コマ目がこれほど眠いとは思わなかった。今期に入って初めての一コマ目だったので辛いこと辛いこと。

しかも、朝から雨降ってるから、大学来るまでに濡れちゃったしね。これだから雨は嫌いなんだよなぁ。

でも、帰る頃にはやんでいたが。

興味のある講義が3コマのみ。

1、4、5コマは興味があるのかないのかさえわからんような退屈な講義。

大学の講義が5コマ目まで終って、月曜日は家庭教師があるのでそちらに向かう。

これまた退屈。英語の構文を丁寧に説明しても、ほとんど生徒には理解してもらない。もう、疲れるね、ほんとに。

今日はマナミさんとは4回メールのやりとりをした。「どんな感じ?」とか「それ退屈だよねぇ」とか。たわいのないことだ。

ちなみに彼女、同じ大学2年生だけど通ってる大学は違うよ。向こうはもっと頭がいい大学。

で、あと、わけのわからないメールが家庭教師中に一件きてました。

差出人のメールアドレスに覚えがないが、「私誰だか分かる?」というメッセージのメールだ。

最初は間違いメールかと思ったが、もしかしたらメールアドレス変更した知り合いがわざとクイズだしてるのかと思って、

色々と考えてみたが、めぼしい人物は見当たらなかった。

本当に間違えメールかもしれないので、今日はそれでおいておいた。

それにしても、今日はマナミさんとのメールのやり取りの時間以外は退屈だったなぁ。

まぁ、授業始まったらこんなものか・・・・・。と、強引に納得。

明日に続く。

 

 

10月8日(火) 曇りのち雨

今日は、あまり講義もなく、

3コマ目の英語と4コマ目の専門科目だけ乗り切ればよかったので楽だった。

ユウジも今日の英語と専門科目は取っているらしく、講義中にもかかわらずメールが入ってきた。

「前から何列目、窓側から何番目にいる?」

「前から9列目、窓はない お前、部屋間違ってないか?」

「・・・・・・・教室どこ?」 「合同教育棟の201室」 「共通教育棟じゃないの??」

と、天然ボケをかまして、遅刻してきたあいつは、俺の隣に座った。

この講義の担当教授は、私語をかなり厳しく取り締まる教授だったので、ユウジは紙に書いてよこしてきた。

「で、どうよ? その後アヤナちゃんとはうまくいってる?」

・・・・・・こいつ、こんなにバカだったかなぁ?

「アヤナさんはヒロキのほうだ! 俺はマナミさんだって」

もともとユウジには、本当のことを話そうと思っていた。

いい機会だったので、マナミさんとの今までのことの概要を全部紙に書いて渡してやった。

それをしばらく眺めたあと、ユウジは何か書き始めた。

俺がマナミさんとうまく行くことを望んでいるだろうユウジのことだ、

「まじかよ!! よかったじゃん! あの子可愛いからなぁ。競争率高いぞぉ。でも、頑張れよ! 大丈夫、俺がいるからよ」

とでも書いてよこしてくると思った。

しかし・・・・・。返事は意外なものだった。

「そうかぁ。・・・・・気をつけろ」

??? 何だ? どういうこと? 何に気をつけろなんだ? 競争率高いから気をつけろなのか?

「何に気をつけろってこと?」

「さぁ、俺にも分からん」

はぁ? 天然ボケもここに極まれりってか? しかし、ユウジの表情を見てみて分かったが、やつは大真面目だった。

英語の講義が終って、俺がユウジに詰め寄る。

「何をいってるんだよ、お前は。何をどう気をつけろって言いたいんだ? 彼女、もてそうだから取られるなってことか?」

いつにもまして重い表情で答え始めたユウジだった。

「いや、そういうんじゃないんだ。なんていうかなぁ・・・。うまく説明がつきにくい・・。そうだなぁ、強いていえば俺の直感かな」

なんとも煮え切らない答え方だ。さすがに少し気に入らなかった。

マナミさんから聞いたが、ユウジとは一緒に仕事したことが一回しかないらしいじゃないか。

しかも時間に換算したら二人が一緒に仕事していた時間は、約2時間半。

ユウジには悪いが俺の方が彼女のことをよく知ってるはずだ。それなのに、なんでユウジはそんな言い方するんだ。

やっぱり気に食わないな。

「ちょっとどういうことだよ、それ。お前に彼女の何がわかるっていうんだよ。大体、あんまり喋ってもないくせに・・・。」

言った瞬間に後悔した。

ユウジは悲しそうな顔になって、ゆっくりと部屋を出て行ってしまった。俺が呼び止めるのも聞かずに・・・。

あぁ、俺はなんてことを言ってしまったんだろう。ここまで順調にいったのは、ユウジあってのことだったのに。

あんなこというなんてひどい・・・。

分かってる。俺はひどいやつだ。

きっとユウジは俺のこと心配だから真剣に考えてくれて、そう答えたのに、自分がマナミさんに夢中だからって

ユウジの気持ちも考えないで「気に食わない」だなんて・・・。俺、どうかしてたな。

結局、今日の4コマ目はユウジはもう姿を現さなかった。

メールで謝ろうとも思ったけど、返事こないとかなり不安になるので、明日直接会って謝ろう!

「ほんと、ごめんな、ユウジ」

既に専門科目の講義ですら、もうどうでもよくなっていた。

黒板には理解不能な文字列が並んでいた。

 

今日はバイトもないし、マナミさんからのメールもなかった。それでよかったと思う。どうも今日は彼女からのメールも、素直に喜べなさそうだからね。

 

 

10月9日(水) 晴れ

こんばんは、翔馬です。みなさんはいかがお過ごしでしょうか?

季節の変わり目なのか、こちらはだんだんと寒くなってきました。昼でももう、長袖じゃないと寒いです。

そんな中、今日の日記を書いています。少し戸惑いながら・・・(謎)。

 

今日の講義は、2コマ目の教養科目のみだった。

開始時間より5分早く来たが、驚いたことに既にユウジが来ていた。

俺の存在に気づいたらしく、立ち上がって近づいてきた。

喋りかけてくれたのは、彼のほうだった。「昨日はすまん。アレは関係ないんだ。気にしないでくれ。なかったことに・・・。」

席に座ってから二人で話をした。

「俺のほうこそ悪かったと思ってるんだ。っていうか、俺が悪いんだから別に謝る必要はないって」

「いや、翔馬がマナミちゃんのこと好きだって分かってて、あんな無神経なこと言った俺が悪いんだよ。」

「いやいや、俺が・・・」「違うって・・・」などと押し問答を繰り返して、その後ユウジが発言。

「昨日の夕方から、俺バイト(居酒屋)やってきたんだ。そん時、たまたまマナミちゃんと一緒になってな。少し話した。

映画楽しかったってよ。彼いい人だね、って言ってた。

残念ながらお前の顔思い浮かんじゃってさぁ。お前のこと好きかどうか怖くて聞けなかったわ」

みたいなことを言ってた気がする。あまり覚えてない。感銘をうけたはずなのに、記憶って曖昧なもんだね(笑)

よかったぁ。ホントよかったぁ。

マナミさんが俺のこと「いい人だね」って言ってくれたことより、ユウジと仲直りできたことが嬉しい。

授業が無事終わり、ユウジとも別れた。

今日はガソリンスタンドのバイトがあったが、変な客が一人きたくらいで別段変わりもなく、平凡な時間を過ごした。

 

バイトが終って家に帰り、携帯を見たらメールが2件入っていた。

1件はマナミさん。「今日はバイトだっけ? 私は昨日バイトだったよ。でもフルコマだったから今日もヘトヘト (+_+)   昨日は裕二くんと久しぶりにシフト一緒だったよ。バイト始まったとき、なんか元気なさそうだったけど大学でなんかあった?」

2件目を見る前に返信した。

「まぁ、ちょっと俺ともめただけだよ。多分そのことで落ち込んでたんじゃないかなぁ。ああ見えても繊細だから(笑) でももう大丈夫。今日のうちに仲直りしといたから」

ユウジも俺と一緒で、昨日のうちから謝ろうって思ってたんだろうね。

昔から思ってたけど、あいつコンパとか行くくせに心がきれいだよなぁ。

優しいというか、繊細というか・・・。(感心)

まぁ、昨日ユウジが言ってた「気をつけなよ」がなかなか頭から離れないんだけどね・・・・。なんだったんだろうね?

2件目を見た。見覚えのないメールアドレスだった。

「おっす、俺ひろき! 元気してたか? 合コン以来だ! 同じ学科だけど、クラス違うと全く会わないもんだねぇ。まなみちゃんとはうまくいってるかい? まぁ、人の世話はいいとして、ちょっと俺の話聞いてくれる?」

??? ヒロキからのメールはそこで終っていた。

なんだ? 聞いてくれるんだったらメールくれってことか??? なぜそう書かない!? メールしたことないんかい(笑)

(。・_・)ん・・・?

まてよ? 俺いつヒロキにメールアドレス教えたんだ? ユウジから聞いたのか? マナミさんから? んなわけないか・・。

とにかく、返信した。

「お久しぶりだね。元気してたか? マナミさんとのことはご想像にお任せするよ。で、話って何?  っていうか、何で俺のメルアド分かったの? 俺教えてあったっけ?」

その後、彼からのその返事はこなかった。もう寝てしまっているのかもしれない。

なんだかなぁ・・・。非常に気になる終り方されて、なんとも後味が悪いです。

話したいこと、俺のメルアドのこと。結局今日は聞けなかったし。

ヒロキはまずいことをしたと思ってるんだろうか? メルアドを知ってることが後ろめたいのか?

考えても答えなんか出るわけなかった。

 

そんな微妙な感じで、今この日記書いてます。

う〜ん。明日は必須の専門科目が2コマもあるから、彼と会うことは出来るだろう。明日直接聞いてみよう。

なんか俺の中で妙な胸騒ぎがするのは気のせいだろうか?

まぁ、いい。明日になれば分かることだから。

・・・・・・本当にわかるんだろうか? 

 

 

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